『ボーイズ・ドント・クライ』
2009年6月9日 9:28|28 Comments|トレ・ビアンな映画&本
以前から観ようと思っていた映画です。
ずっと前に映画館でこれを観たというグリ子さんは、「もう観たくない。」と言っていたので、ひとりの時に観ました。
観た後に私が感じたのは、グリ子さんと同じく「もう二度と観たくない。」
映画が良くないということではなく、あまりにもリアルに描かれた残酷な内容にショックを受けたからです。
主人公はFtMで、生まれ持った女性の身体を隠し、男性として生きようとしています。
やがてそのありのままを受け入れ、愛してくれる女性とも巡り会いますが、ふたりをある事件が襲います。
その、ある事件とは…。
ある程度、どのような話なのか知った上で観ましたが、胸をえぐられる思いで、観終わってしばらく呆然としました。
この映画は、1993年にアメリカの小さな町で実際に起こった出来事を元につくられています。エンディングのテロップを見てゾッとします。
まだそれほど昔の話ではありませんね。
現在、「GID」「トランスジェンダー」について様々な形でメディアに取り上げられ、世の中に知られるようになってきましたが、同性愛と混同されるなど、まだ正しく理解されていないケースもあるようです。
主役を演じたヒラリー・スワンクの徹底した役作りと身体を張った演技、素晴らしいです。この女優さんは本当にすごい。
恋人役は『ウーマン・ラブ・ウーマン』でFtMを演じたクロエ・セヴィニ-。
私は彼女がこの映画の中で、主人公の真実を知った時に言った「私も完璧じゃない。」という台詞が心に残りました。
描写のインパクトが大きいため、相当覚悟してみる必要がありますが、一度は目にしておくべき映画ではないでしょうか。
2009年6月9日 9:28|28 Comments|トレ・ビアンな映画&本
Comments
28 Responses to “『ボーイズ・ドント・クライ』”
コメントはお気軽にどうぞ〜(承認制です)
6月 9th, 2009 @ 9:55 AM
これ、あたしも何度も観ました。ヒラリースワンクが好きなのと 題材に惚れたというか。
今はそれでもOpenになりつつあるように思われますが、無知って怖いなと思った映画でした。
ミシェルさんとの映画の趣味が近くてつい親近感湧いてしまいます:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
6月 9th, 2009 @ 10:22 AM
>Katelynさん
何度も観ましたか…。
そう、無知は怖いですね。でも無知だけでなく人としての思いやりであったり、いろんなことを考えさせられます。
う~ん、この映画については私は「好き」とは言えないですが、描かれている内容は目を背けてはならないことだと思いました。
6月 9th, 2009 @ 11:00 AM
いつも更新楽しみにしておりますo(^-^)o
『ボーイズ・ドント・クライ』ですが、内容は当時付き合っていた人が映画館に見に行き、詳しく教えてくれました。非常に辛く悔しい内容で、怒りも感じました。臆病な私は、いまだに怖くて見れません(>_<)
きっとこれからも見れないかもしれません。
こういう作品のおかげで、知る機会を設けられる方々もいらっしゃるでしょう。多くの方々が、考えて下さるキッカケになれば良いですね………。
6月 9th, 2009 @ 11:11 AM
お久しぶりです。
私は映画が大好きで、
あらゆるジャンルの映画を見てます。
マニアックなくらい(笑)
この映画、数年前にみたのですが、
あまりの衝撃に胸をえぐられる思いでした。
当時私はまだ若くて、
涙もでませんでした。
結末は変えられないけど、いつ見ても、
早く逃げて!!と思ってしまいます。
私はヒラリースワンクが、夜、バイクに乗って、
恋人の職場に会いに行くシーンが大好きです。
愛する人に会いたい。
姿を見たい。
時間なんて関係ない。
仕事中なんて関係ない。
このときの惹かれ合う2人の気持ち、
そこに性別なんて関係ない。
純粋な愛の形ですよね。
長文失礼しましたm(__)m
6月 9th, 2009 @ 11:20 AM
>ゆにんさん
本当にそう思います。こういう映画も必要ですね。
私は観た後しばらくして色々調べましたが、実在した本人たちの写真をネットで見つけて、さらにショックでした。
これを映画館で観たら…椅子から立ち上がれないかも。
6月 9th, 2009 @ 11:26 AM
>ちび&ちぃさん
お久しぶりです(^-^)
これは記憶に残る映画ですね。いろんな意味で。
興味本位では観られませんが、「観なければよかった」とは決して思いません。
それにしても悔しくて悲しくて腹立たしい話だったな…。
6月 9th, 2009 @ 12:22 PM
最近見つけて、いつも楽しみに読ませてもらってます。(お昼頃更新されるのも嬉しいです。笑)
私も、二度と見たくない、と思って見てないです。
ヒラリースワンク、本当にすばらしいですよね。
ただ、この映画以降、男に見えてしょうがないんですけど……。
でも、それくらいすごかったなぁ、と。内容も演技も。
なので、キャサリン・メーニッヒがオーディションに落ちてくれてよかったなぁ、と思ってます。(笑)
それに、例えていうと、ラスト・フレンズのルカみたいな人が、自分自身のセクシャリティ?を再認識するのにも有効だろうなぁ、と思っています。
6月 9th, 2009 @ 12:33 PM
観ました。
そして同じくもう二度と観たくないと思いました。
一度しか観ていません。悲しすぎて。
でも、観てよかったと思ってます。
こういう映画は大切ですよね。
6月 9th, 2009 @ 12:42 PM
いつも楽しみに愛読させていただいてます!
Boys Don't Cryは、私も二度とみたくないって思う映画です・・・
ずいぶん昔にケーブルテレビで観たんですが、観たときは怒りと涙にふるえてしまい、しばらくの間頭から離れなかったほどです。
今でもかなり鮮明に思い出すシーンがいくつかあります。
ヒラリー・スワンクは本当にすごいですよね。
そして、タイトルの力もすごいと思います。
あらゆる抑圧に対するメッセージだなって。
6月 9th, 2009 @ 12:51 PM
>zzzさん
ヒラリー・スワンク。役にはまりすぎて「自分の女の部分が失われそう」と監督に訴えたというエピソードもあるそうですね。
これ観てFtM当事者の気持ちを知ったつもりにはなれませんが、想像しただけでも相当苦しいものと思います。
6月 9th, 2009 @ 12:59 PM
>はるかぜ くる子さん
そうですね。
二度は観ないまでも、一度は…と私も思いましたよ。
6月 9th, 2009 @ 1:05 PM
こんにちは、いつも楽しく読ませてもらってます。
この映画が二度と見たくない映画3つ目です。女性(元女性も含む)が暴力により傷つけられたり殺されたりはどんな状況においても怒りで体がバラバラになりそうです。グリコさんと同じくらいの時期に観た記憶がありますが、思い出すだけで奥歯がぎりぎりします。
だからハッピーな同性愛の映画がたくさん観たいな。心待ちにしているのが「ラビング・アナベラ」です。
6月 9th, 2009 @ 1:05 PM
>ハルムート(R-M食いしん坊改)さん
私もしばらく抜けられないような気がします。
ヒラリー・スワンクの絶叫するでもなく泣き喚くでもない静かな演技が、かえってその抑圧された苦しみを訴えているように感じました。
6月 9th, 2009 @ 1:23 PM
>coconutさん
女性にとっても屈辱的なことですよね。
でもあの主人公は…最悪のシーンに至るまでも、何度も心を殺されていると私は感じました。
6月 9th, 2009 @ 6:03 PM
1993年というと、まだ16年前・・・ですよね?(私が生まれた年です・苦笑)
どんな映画なのかはわかりませんが・・・現実で起こった事柄を映画にするものほど、感動もできますが、恐怖もあります。
私は一生その映画を見ることはできないかもしれませんが、女性として性同一性障がい者として、哀しく辛い出来事を映画にしたとは想像できます。
私も自分が女であることが『いやだ』と思っていて(思春期のせい、ということもあるかもしれませんが)、性同一障がい者の人がこんな目にあったら・・・そう思うと、辛くなります。
6月 9th, 2009 @ 6:42 PM
>楼癒さん
この映画についてもFtMについても、検索すると色々知ることはできます。
でも、自分の目で観て何かを感じることも大切だと思います。
非常にショッキングな映像もあり、軽々しくオススメとも言えないんですが、いずれ機会があれば一度観てみると良いと思いますよ。
6月 9th, 2009 @ 10:14 PM
かなり衝撃的でしたね、ラストが。
本当に、観た後放心しました。
そして、彼女(彼)の人生とは一体何だったのか、と考えさせられました。
私は同じ時期に『アメリカン・ヒストリー・X』も観たのですが(黒人差別の話)、これもいろんなこと、本当にいろんなことを考えさせられました。
ハッピーな映画もいいですが、こういう映画も自分の心の幅をグググッと広げるような気がしますね。
知るのは恐ろしいことかもしれませんが、でも知らないで生きているよりずっといい、そう思わせてくれた映画たちでした。
6月 9th, 2009 @ 10:35 PM
>ol110さん
そうですよね。
世の中楽しいもの美しいものばかりじゃないので、やはりいろんな側面から物事を見なくてはいけないなぁと思います。
6月 10th, 2009 @ 8:35 PM
DVDを持っているのですが、部屋の奥にしまってあります。
それだけ、心が痛みました。 時々、手に取るのですが、観ることはありません。
でも、何故か手に取って、そこにある事を確認してしまいます。
理解出来ない物事を排除しようとする、人間の怖さを感じましたネ。
6月 10th, 2009 @ 10:10 PM
>カコさん
そうですね。自分が理解できるもの、許容できるもの以外は排除しようという発想は、差別にもつながりますよね。
すべてを理解することは難しくても、そこに在ることを受け容れるというのは必要な気がします。
6月 10th, 2009 @ 11:23 PM
その映画の事を聞きました…
まだ観てはないんですが…話だけで悲しくなりました。
いつかは観たいと思ってます!
ビアン映画あまり詳しくないんですが
『GIA』
『KISSING ジェシカ』
『バウンド』
が結構好きです♪
内容は全然違いますが(^^)
6月 10th, 2009 @ 11:40 PM
>アンジェリーナさん
映像で観るとよりショックかもしれませんが、いつか機会があれば…。
私はまだ『バウンド』を観ていませんが、他は以前記事にしました。いい映画ですよね(^-^)
6月 14th, 2009 @ 12:17 PM
この映画、最初は何気なく軽い気持ちで観たんですが
ストーリーが進むにつれ
真剣になってきたのを覚えてます
今まで仲良くしてくれた方々が真実を知った途端
あんなにも豹変するなんて悲しすぎました
しかも実話を元に作られた作品と知ったら
胸が苦しくて仕方なかったです
こんな事はあってはいけないから1人でも多くの方に観てもらいたい作品です
長々と失礼しました
6月 14th, 2009 @ 12:39 PM
>youtrecさん
初コメありがとうございます。
ほんとに…人はこんなにも残酷になれるものなのかと思いましたね。
偏見って無知さだけが問題なんだろうかと考えさせられました。
7月 20th, 2009 @ 10:50 PM
ミシェルさんの映画や本の紹介日記大好きです!
DVDは娘のおかげでなかなか観れる時間がないのでもっぱら通勤の読書ブームな私です。
まだまだ待機中の本がいっぱいある私ですがこれからもオススメblogも楽しみにしています
p(^^)q
7月 20th, 2009 @ 11:39 PM
>すぷーさん
ありがとうございます(^^)
私もまだ紹介したい作品が色々あるのですが、ぼちぼち書いていきますので、またご覧になったものがあれば感想などお聞かせくださいね。
8月 4th, 2009 @ 10:52 PM
お久しぶりです。
ちび&ちぃのちぃです。
ミシェルさんが記事で紹介しなかったら見ていなかっただろう作品です。
ちびも見ていて
『見たいと思う時に見たらいいよ』
と言っていてレンタルショップで何度か探したものの見つからなくて諦めかけていたんです。
が、しかし昨日
え~…こんな所にあったの…
って所で発見。
見ることができました。
私、声が出るほど泣いてしまいました。
見るタイミングが今だったから余計に涙が止まりませんでした。
こういう現実があるんだということの悔しさ、悲しさ、怖さ、難しさ…。
私の願う結末ではなかったけど見ることができてよかったと思っています。
8月 5th, 2009 @ 9:21 AM
>ちび&ちぃさん
観たんですね~。後味は決して良くないけれど、観なければ良かったと思うものではないんですよね。私もレンタルビデオ店で見かけるたびに思い出しますよ~。