『同性パートナー生活読本』
2009年7月7日 11:09|18 Comments|トレ・ビアンな映画&本
昨日、ふたりの老後の話をちょこっと書きましたが、これはいわば「パートナーシップ」の話であり、通常は結婚やそれに近い関係を築くことになって初めて意識する問題かもしれません。
と言っても、私が結婚していた頃はまだ具体的に考えていなかった部分もあります。たぶん、自分が本当にそれを必要とする状況にならないとなかなか意識しないと思うんですよね。
私の場合はグリ子さんがすごく年上ですし、結婚という選択肢を持てない立場になって、考えるようになったこともあります。
ちなみに私がフリーランスとして開業した時も、必要に迫られて経理とか税金の勉強をしましたが、その時初めて、サラリーマンというのは自分が意識しないところで、こんなふうに税金とられていたのか(納めるって感覚すらなかった)ということがわかったものです。
さて、前置きが長くなりましたが、この本。Q&A方式で同性パートナーとの生活の中で出てくる様々な疑問に答えてくれています。
なぜ法とか保障といったことが必要になるのか、という話から始まり例えば、同性パートナーと一緒にマンションが借りられるのか、家族カードや家族割引などのサービスは受けられるのか、同性パートナーを生命保険の受取人にできるのか、緊急時に安否確認や付き添いはできるのか、一緒のお墓に入ることはできるのかなどなど。
また、同性間の結婚やそれに類似した制度がない中で、ふたりの間の約束事を形にする方法として、公正証書、成年後見制度、養子縁組、遺言などに関する知識と実際の手順についても説明されています。
テレビでマイケル・ジャクソンの遺言書についてやっていたのを見て思いましたが、やっぱり遺言書って大切なんだなって。
自分の持ち物を大切な人にちゃんと遺せるように、自分の大切な人を守れるように、生前に意思をまとめておくことの大切さを改めて感じました。
遺言とかお墓の話となるとまだピンとこない人も多いと思うんですが(私もそう)、もし突然パートナーが事故にあったり、病気で倒れたりしたら、何も知らないままでは、ただパニックになってしまいます。
何ができて何ができないのかを知ることは安心にもつながりますし必要な時に取り出して参照するという使い方もできます。(もちろん書かれている法や制度は出版された時点のものですが)
著者も最後に書かれていることですが、パートナーが同性か異性かにかかわらず、またカップルのみならずシングルにとってもいずれは降りかかってくるだろう問題ばかり。
ぜひ目を通しておきたい本だと思います。
2009年7月7日 11:09|18 Comments|トレ・ビアンな映画&本
Comments
18 Responses to “『同性パートナー生活読本』”
コメントはお気軽にどうぞ〜(承認制です)
7月 7th, 2009 @ 11:50 AM
お!
この本、出版された時からずっと気になっていました。
ただミシェルさんも書かれているとおり、今後制度が変わる可能性がある・・・。
と思い、まだ購入していないのが現状です。
でもいつ何があるか・・・それは誰にも分からないですもんね。
そう考えると目を通しておいた方が・・・とも思いつつ・・・。
制度で固めてくれるのが一番ありがたいですけどね(涙)。
7月 7th, 2009 @ 12:07 PM
こんな本があるんですね!moonも同性カップルがどのように社会制度の中で生活していけばいいのか、いろいろと知りたいなと思っていました。こういう本があるのはありがたいことですね。知ることができてよかったです。それもこれもこのようなブログがあるおかげです。感謝です!
7月 7th, 2009 @ 12:20 PM
>ルナさん
最近、海外の同性婚を認めている国で、その国籍を持つ人との結婚ができるようになりましたよね。これは国が発行する書類の表記が変更になったためだったと思いますが、本に書かれている内容で変更になった点のようです。
法律や制度が変わることに希望は持っていますが、そう簡単には変わらないのかなというのも正直なところ…。
でも小さな声であっても、我々が希望を口にしていくことは必要だと思いますね。
7月 7th, 2009 @ 12:22 PM
>moonさん
まだ今年の春に出版された本なので、情報は新しいほうだと思いますよ。私もネットで知って購入しました(^^)/
7月 7th, 2009 @ 1:02 PM
母性本能が備わってない気がするんですが(苦笑)
ミシェルさんは母性本能強いですか?
パートナーシップ制度が万が一、日本に導入されたら^_^;グリ子さんとのベイビーを育てたい願望はありますか!?
7月 7th, 2009 @ 1:40 PM
>blue-powerさん
母性本能ですか?…う~んどうだろう、強いとは思うんですけど。
養子をとることなどについても国によって決まりが違うようなので、パートナーシップ法と子供のことはまた別だと思いますが、グリ子さんの子供が欲しいとはもちろん思いますよ~。どう頑張ってもできませんけど…
7月 7th, 2009 @ 5:48 PM
私は新聞の下の広告欄で知り、とても気になってました。
おすすめされていたので、ぜひ読んでみようと思います。
彼女と同居するのはまだ先のことですが、どうすればいいのかわからないことだらけです。
7月 7th, 2009 @ 6:28 PM
「同性」なのに
なぜ表紙の絵で
手をつないでいる人は
スカート履いてるんでしょう(・Θ・;)?
気になるのは俺だけ・・(汗)?
7月 7th, 2009 @ 7:17 PM
>豆うささん
新聞の広告欄に載っていたんですね~。
うちもまだホントのふたり住まいとは言い難い状態ですが、今後、この本に書かれていることを活かせたらいいなと思っています。
7月 7th, 2009 @ 7:22 PM
>HIKALさん
あ~気にしていませんでした。左側が男同士に見えないってことですよね。
トランス…とか?同性カップルの友達のノンケカップルとか?(笑)
7月 7th, 2009 @ 8:58 PM
私…今、相方いないのに~(笑)
すごく読みたくなった(*^m^*)w 爆
なんでだぁ(^O)=3
7月 7th, 2009 @ 9:44 PM
このような本があるんですね!初めて知ったので驚きました^^*
やはりこれから先、共にするのが男か女かはわからないけど、自分と大切な人の将来を考えたら現実的問題として国の制度を把握しておくのは大切ですね><
新たな制度が出来て、生きやすい国になるのが一番の望みではありますが、一度この本で勉強してみたいです^^
7月 8th, 2009 @ 1:11 AM
読んでみたいと思います!以前ドラマで長年一緒に暮らしていた熟年夫婦の内1人が緊急手術が必要になって初めて2人が結婚していないことを周囲が知り、十数年一緒に住んでいても結婚していないと手術の同意書が書けないのだと知りました(数年前のドラマなので今はどうなのか・・・)。とても悲しい気持ちになり、きっと他にも色々と(同性やシングルにも)優しくない法律があるんだろうと日本の現状を知りたかったんです。
7月 8th, 2009 @ 8:04 AM
>marumaさん
いつかの素敵なパートナーとの生活のためにぜひ~('-^*)
7月 8th, 2009 @ 8:08 AM
>鈴さん
そうですよね。まずは現状を知るって大切だと思います(^-^)
7月 8th, 2009 @ 8:28 AM
>ぽんずさん
あ~そういうのつらいですね。
医療や介護についても書かれていましたよ。医師から説明を受けたりとか、できないことばかりではないというのもわかりました。
7月 8th, 2009 @ 11:58 AM
パートナーシップ法というあり方そのものに、遺憾の意を覚える!!というクィアの友人もいますよ~
というのは、ヘテロセクシャルの人たちと平等の権利が与えられて当たり前のはずなのに、パートナーシップ法というワンランク差が設けられていることは問題があるからです。
だから、私達はパートナーシップ法で満足してはいけないと思います。
まあ、まずはそこから始めるしかないとは思いますが!笑
7月 8th, 2009 @ 12:49 PM
>マイコさん
なるほど~。たしかに差があることは本当はおかしいのですよね。
今の結婚制度を見直すか、新たな制度を設けるか、どちらかしかないのでしょうけど、すべての人に平等なものであってほしいですね。